選挙が近づくと主に野党支持者から選挙に行こうという声が高くなる。
SNSで盛り上がるように見えるがしょせんノイジーマイノリティというやつで大抵普段通りの結果になる。
自民党をぶっ倒す的な意見がTwitterで10万いいねを集めたところで国民の0.01%とかにしかなってないのだ。
ニュースでよく出るように、支持政党が自民党と無党派とその他政党で3分の1ずつを占める構造は変わりそうにない。無党派は政治自体を信頼しておらずあんまり選挙に行かなさそうだ。
そもそもの話として政治によって何をどうするべきか考えるには、国防とか環境とかいろんな種類の専門的なことを考えざるを得ないが、よく分からないというのが本音だ。
よく分からん人がよく分からん人を選ぶ民主政よりも、もはや古代のように優しくて強くて賢い独裁者が全部仕切ってくれた方が良い気もするが、
論点が多くて専門的で複雑に絡んでいる現代社会ではその出現を期待するのは難しいだろう。
エリート独裁なんて言って、いろんな専門分野のエキスパートを集めればどうにかなるというのも幻想で、結局専門家同士で考え方も知識もバラバラでまとまらなくなるのがオチだ。
プライドが高くてコミュニケーションの下手な連中ばかり集めてどうするのだ。
むしろそういうバラバラの視点を汲み取りつつ皆が得するように説得調整することこそ政治の役割であり、またプロの政治家に求められる一つの重要なスキルでもある。
ともかく現代の民主主義政治には限界がある。
少数意見が通りにくいというのは小学生でもわかる。あとは選挙区の問題なんかもある。
例えばインボイスはニュースではよく見るが主要論点になることはなさそうだ。
10万人の都会の国民が怒っていることがあっても何も起こることはない。確実に一票になる5万人の田舎の投票の方が価値が高い。
少数派であれば、何か社団法人でも作って政治家へのコネがあれば何とかなるかもしれない。
我々は少数だが日頃からこんなことで困っていて、こんなデメリットが多数派にも波及してしまうんですよ、と頻度高く分かりやすく伝えられるからだ。
金とか他の利益もコッソリ渡せればより効果的だ。
逆に、有力政治家へのコネがなく、弱くて少ない人の声は届くことなくサイレントに潰されてゆく。調整の副産物だ。
思うに投票で声を届けることを期待するのは構造的に無理なのではないか。
選挙では国防からジェンダーまでいろんな論点が十把一絡げにされて、
数年に一度名前だけ連呼するお祭りのような儀式を経て組織票を拝み倒してかき集め職業議員が食い扶持を確保する。
ならば自分が議員になろうとて、代わりに無所属で立候補したり政党を作るのも心許ない。
日頃の生活の維持が大変だし、信頼と知名度がなければ選挙のたびに供託金ATMになるのがオチだ。
調整のプロたる政治家に日頃から声を届けるロビー活動の方が数年に一度の投票より重要になる気がしないでもない。