コミュニケーションと報連相。
聞くべきタイミングで聞くべきことを簡潔に言い、相手の言葉を雰囲気を加味しながら正確に受け取る。
すこぶる苦手なことだ。だから自然と一人になる。
しかも一人が平気だからますます内発的に上手くなろうとも思わない。
しかし仕事、あるいは日常の調整や交渉事、対話とすり合わせが必要なシチュエーションはある。
あるいは他愛もない会話、聞いて欲しい話を聞くとき。
どうしても一人でいられない時に、相手を自分が不得意なことのせいで困らせたくない。属する集団に損害を与えたくない。
傾聴スキル、クリティカルシンキング、困るたびに目を背けず本で学んで実践に移した。たくさんの傷と反省で成長した。
こうして全く誰とも話が通じなかったり人の話を聞けなかったりする底辺は脱した。
しかしコミュニケーションが不得意で消耗することには変わりない。成長しても得意な人のようにはできない。
寝不足で鬱々として頭が回らない時は下手くそだった時に戻ってしまう。下手くそだった時と同じミスをする。
ミスをしないときはピークで、デフォルトはミスをする人間なのだ。ピークを基準に考えてはいけない。しかしあれだけ苦しんで努力したのに、デフォルトの水準を底上げできたわけではないことにガッカリする。
俺の頭の中は常に色んな発想、イメージ、言葉が無軌道に出てきて犇めいている。
ただでさえ思いつくことが多い一方、頭の回転が早いわけではなく、優先順位や順序がパッとつけられない。馬力が要る。
また、どこか人が読まないような本や人が触れないようなところで触れたマニアックな言葉からイメージを得て、そのままそれを人との会話で使うが、それが他人の描くイメージと全くつながらない。
幼稚園の先生からの評価は"変わった子"だった
困ったことがあっても順序も要点もバラバラなまま発話してしまい伝わらない。
しかし相手が分からなさそうにしている反応を見て、頭の中はますますパニックになる。
だから人に相談するより一人で済まそうとする。
伝わらない、あれもこれも伝えなきゃ、いや要点はこれなんだからこれを先に言わなきゃ、そう言えばこれも、やっぱりこれの方が大事では?
さっき言ったアレはこういう意味で捉えてるかもしれない、すると一週間前にいったコレと矛盾してしまうかな?
あと、これを今言うと相手はこう思ってこんなことをするかもしれない、それは違うし困るから補足しないと、いや"困る"なんて直接言ったら余計に困るだろうから別の表現でニュアンスだけうまく伝えないと、
アレってそういえばなんだっけ?というか言ったんだっけ、思っただけで言ってないんだっけ?
この情報とあの情報からするとこうなんだけど、別の情報からするとこうかもしれない、いや言い切るにはこれが足りないんじゃないか?それにこの視点で考えてみないと分からないのでは?
つまりゴチャゴチャだ。
結局何も伝わらず、困ったような表情を浮かべさせたり焦らせたり怒らせたりする。
これからはAIが登場しシンギュラリティが起きる。しかし大丈夫、人の仕事はある、アートやコミュニケーションといった人間らしい仕事は残り続ける、だそうだ。要するに俺は淘汰される。
もちろん努力はやり続けたがもう疲れた。やり方が甘いとか間違ってるとか良いからやり続けろと言われても気にしない。
今まで誰も助けてくれなかったし、助けを求めても繋がらなかった。いつも俺は人のせいにしない。匿名空間でくらい、多少は人のせいにしたって良いだろう。
逆に俺もまた誰かを助けられる力もない。繋がれないからだ。